運命の歯車-不思議の国のアイツ-


「な、なんで、山下くんが謝るの?」



急にコウに謝罪され焦るマイ。



「いや、やっぱり、そんなことあったら、タバコのひとつやふたつ、吸いたくなってもしょうがないと思うんだよな。・・・それを、何も知らない俺が、あんなこと言っちゃってさ。」



心底、悪く思っている感じでコウは謝罪する。



「そんなことないよ。タバコを吸うのは、やっぱり、どんな状況だろうが、悪いことだよ。山下くんは、正しいことしたんだよ。」



マイは、必死にコウを励ます。



「・・・・そうかな?」



「そうだよ!」



マイとコウは、顔を見合わせて、笑いあった。



二人しかいない教室の中を優しい笑い声が響き渡った。



「・・・紅蓮と喧嘩する時には、俺も、ジンさんについて行って、しっかり、海堂の恨み晴らしてきてやるから。」



コウが、好戦的な表情になり、マイに宣言した。

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