運命の歯車－不思議の国のアイツ－

「別に。何にもしてねぇ～よ。」



コウは少し気まずそうに答えた。



マイは、「・・・ありがとう、山下くん。」と小声で言うと、すぐに席を立って、マサヤに「またね。」と素っ気無く言って、そのまま教室を出て行った。



「何だ？マサヤ、海堂と喧嘩でもしたのか？」



あまりの急なマイの行動に驚いたようにコウがマサヤに聞いた。



「別に。」



マサヤは、教室を出て行くマイの後ろ姿を見つめながら言った。



コウからは、マサヤの背中しか見えなかったので気づかなかったが、その時のマサヤの目は、何かの決意を秘めた目をしていた。