運命の歯車-不思議の国のアイツ-
第2節:マサヤ
太陽が沈み、月が薄明るく空に現れた頃、繁華街は、起きはじめる。
ビルの看板に明かりが灯り、薄暗い闇に映える服に身を包んだ女性達が繁華街の道を歩いていた。
そんな中学生には、場違いな場所をマサヤは、アテもなく、ひとり歩いていた。
目はどこか虚ろで、何を考えているのかわからない表情のマサヤ。
そんなマサヤを3人組の男が取り囲んだ。
「ちょっとこっち来いよ。」
特に抵抗するわけでもなく、引かれるままに繁華街の路地裏に連れ込まれるマサヤ。
マサヤは、路地裏で背中をビルの壁に押し付けられ、周りを3人の男達に囲まれた。
「おい、金持ってんだろ?出せよ?」
マサヤの真正面に立っている男が、マサヤの胸倉を掴みマサヤを脅す。
「・・・・・・・。」
睨むでもなく、感情のこもっていない目で胸倉を掴んでいる男を無言で見つめるマサヤ。