運命の歯車-不思議の国のアイツ-
序章:きっかけ
その日は、朝から雨が降り続いていた。
冬と春の間に降る雨は、ひどく冷たい。
そんな中、マイとマイの母親は、仲良く手をつないで買い物に出かけていた。
「ねぇ、今日もお父さん、帰り遅いのかな?」
マイが、母親の顔を見る。
「そうね。お父さんも忙しいからね。」
母親が、マイに微笑む。
「そっか。それじゃ、今日も私とお母さんの2人で夕食だね。」
少し寂しそうにマイがつぶやく。
「あら、お母さんと2人の夕食は嫌?」
母親が不満そうにマイを見る。
「えっ、そんなこと無いよ。・・・ただ、家族3人で食べた方が美味しいかなと思って・・・」
「・・・そうね。」
母親も少し寂しそうな表情でつぶやく。