運命の歯車-不思議の国のアイツ-
第4節:捜索
マサヤの家を出てから、コウは、マサヤを探すためには、どうすればいいのか、迷っていた。
コウひとりで色々考えても、いいアイデアは浮かんでこない。
しょうがなく、マイに携帯電話で電話をした。
「・・・・・・・・あ、もしもし、山下だけど?海堂か?」
「うん、そうだけど。どうしたの、山下くん?」
マイは、すぐに携帯電話に出た。
「あのさ、マサヤが、ここ3日ほど家に帰ってないみたいなんだ。学校にも来てないし、海堂、何か知らないか?」
「マサヤくんが?」
携帯電話の向こうからマイの驚いたような声が響いてきた。
「そうなんだ。海堂、マサヤと仲いいし、何かマサヤから聞いてないかと思って。」
「・・・何も聞いてないけど・・・ちょっと待ってて、お父さんに調べてもらってみるから。」
「お父さんって?」
マイの言葉の意味が理解できないコウ。
「あっ、私のお父さん、警察関係の仕事してるから、もしかしたら、何かわかるかなと思って。」
「そういうことか。・・・何かわかったら、いつでもいいから、俺に教えてくれ。」
「うん、すぐに電話するね。」
コウは、マイとの電話を切った。
携帯電話を見ると、時刻は、17時を回ったところだった。
陽も沈み始め、周辺は、夕日でオレンジ色に染まり始めている。
(大丈夫なのか、マサヤは?)
コウは、夕日を見ながら、不安を感じていた。