運命の歯車-不思議の国のアイツ-
「・・・大丈夫だよ。」
マサヤは、疲れたような表情でつぶやいた。
「大丈夫じゃないだろ、マサヤ?とりあえず、すぐそこに俺のアパートがあるから、来いよ。」
「えっ・・・いいよ。」
「遠慮するなって。どうせ、俺しかいないんだから。」
リョウは、嫌がるマサヤを無理やり、自分のアパートへと連れて帰った。
リョウのアパートの部屋は、テレビと冷蔵庫とベットがあるだけの、質素な部屋だった。
「適当に座れよ。」
リョウは、マサヤに声を掛けて、冷蔵庫から缶ジュースを取り出した。
「ほら。」
リョウは、缶ジュースのひとつをマサヤに投げる。
その缶ジュースをマサヤは、うまく両手でキャッチした。
「ありがとう、リョウ。」
マサヤは、ジュースを開け、一口飲んだ。
「・・・・イテッ。」
思わず、声が出る、マサヤ。
冷たいジュースは、口の中を切っているマサヤには、酷くしみた。