運命の歯車-不思議の国のアイツ-
「・・・このニュースが、どうかしたのか?」
「うん!・・・今、お父さんから連絡があったんだけど・・・その犯人として、警察では、マサヤくんを探しているって・・・。」
「マサヤが?」
マイの言葉に驚いて、コウは、思わず部屋で叫んでしまった。
「・・・そうなの・・・。本当は、警察の機密情報だから、外部に漏らしたらいけないのだけど、お父さんが・・・・。」
言葉に詰まるマイ。
「・・・海堂のお父さんが、何だって?」
やや強い口調でコウが、言葉に詰まったマイをせかした。
携帯電話の先でマイが、たぶん泣き出したであろうことは、コウにも分かったが、今は、そんなマイを気遣う余裕は、コウにはなかった。
「う、うん・・・被害者の相手の人が・・・最初の一人を除いて・・・全員・・・紅蓮のメンバーなの・・・。」
「紅蓮の?」
「うん。それで、もしかして、私も関係しているんじゃないかって心配して教えてくれたの。」
「・・・紅蓮恨んでいる奴なら、いくらでもいるだろ?何でマサヤってわかったんだ?」
「・・・マサヤくんが、紅蓮の人を刺した場面が、・・・店外を写していたコンビニの防犯ビデオに写っていたの・・・。」
マイのすすり泣く声が、携帯電話を通してコウに聞こえ続けていた。