運命の歯車-不思議の国のアイツ-
「でも・・・。」
「いいから!・・・俺が、なんとかするから!」
今までにないくらい強い口調のコウ。
「う、うん・・・わかった。」
マイは、コウの口調に押され、同意することしかできなかった。
コウは、その後、マイとの電話を切ると、すぐに外へ出かける準備を始める。
(・・・俺のせいで・・・。)
コウは、後悔の念に駆られていた。
そして、心配もしていた。
紅蓮は、数人が刺されたからといって、大人しくなるような甘い暴走族ではない。
当然、マサヤへの仕返しのために、街中を探し回っているはずだ。
警察と紅蓮の前にマサヤを見つけなければ・・・。
コウは、朝食もとらずに、家を飛び出していった。