運命の歯車-不思議の国のアイツ-
その日の午前中の授業は、まるでマイの耳には、何ひとつ入ってこなかった。
マイの心の中は、常にマサヤのことで占められていた。
マサヤは、これからどうなってしまうのか・・・・?
まだ、大人より子供に近い年齢のマイには、想像できなかった。
ただ、ひとつ分かっていることは、マサヤは、とんでもない事件を起こしてしまったということだけ。
せめて、今は、マサヤが無事でいることを祈るしかマイにはできなかった。
(私なんかがマサヤくんと出会わなければ・・・。)
しかし、マイのその後悔は、すでに遅い。
人間である以上、時間を戻すことは不可能。
一度、歯が噛み合い、動き出した運命の歯車は、誰にも止めることはできないのだ。
自分ではどうにもできない流れを、マイは痛烈に感じていた。