運命の歯車-不思議の国のアイツ-
第8節:乱舞
ドカッ!!
コウが、顔を殴られ、道に転ぶ。
コウの周りには、5人の紅蓮のメンバー。
道に転ぶコウを見下ろす男達は、嘲笑を浮かべていた。
「5人相手に1人で喧嘩売ってくるなんて、お前、自殺願望者か?」
「・・・ゴミは、何人いようが関係ねぇーよ。」
コウは、強がりの言葉を吐いたが、その心の中は予定とは違う状況に焦っていた。
(・・・今までは、5人くらい倒せていたのに・・・・。)
相手が、全部で10人くらいいるなら、無理だが、5人までなら、いつものコウなら、どうにか喧嘩にはなった。
しかし、今日は、喧嘩にすらならない。
コウの背中から殴られたり、蹴られたりするので、コウに対応のしようがないのだ。
(くそ・・・なんで今日に限って・・・。いつもは、背中からの攻撃は、どう対応していたんだ・・・?)
コウは、いつもの状況を思い浮かべ、そしてひとつの事実に気付いた。
(・・・リョウか。)
コウが、大人数と喧嘩をするときは、リョウが一緒のことが、ほとんだだった。
そして、コウの背中をリョウは、守ってくれていた。
そのため、コウは、前だけに専念して喧嘩できたのだ。