運命の歯車-不思議の国のアイツ-
(・・・・馬鹿リョウ・・・いつも助けてやってんだから、今日くらい助けに現れやがれ!)
コウは、心の中で叫ぶが、当然、そんな奇跡的なことが起こると、実際思っていたわけではなかった。
(・・・・って現れるわけないか・・・フフッ・・・。)
リョウのことを思い浮かべると、コウは、この絶体絶命のピンチにも関わらず、笑みが浮かんできた。
「何、笑ってんだ、こいつは?」
コウの笑みに気付いた紅蓮の1人が、不満そうな表情になる。
彼らは、今、絶対的に有利な立場で、コウは、笑みなど浮かぶはずない状況のはずなのだ。
それにも関わらず、笑みを浮かべるコウ。
一気に紅蓮の男達の怒りに火がついた。
コウを取り囲み、殴る蹴るする。
ボコッ!バキッ!ドコッ!・・・・。
止まることなく続く攻撃。