運命の歯車-不思議の国のアイツ-
「・・・ガンダムを見たいって言ったらフラれたよ・・・。」
ジュンの頬には、真っ赤な紅葉型の跡がついていた。
「・・・名作なのにな。」
「女には分からないんだろ。」
ジュンが、苦笑いを浮かべた。
「・・・それ以前に、今、ガンダムなんて映画館でやってないだろ・・・・・・悪かったな。」
コウは、そんな苦笑いを浮かべたジュンを真剣な表情で見つめる。
「・・・気にするな。それより、遅くなって悪かったな。・・・探すのに手間取ってな。」
ジュンも、真剣な表情へと変わる。
コウの様子に気付いたジュンが、彼女との約束を破ったために、ジュンの頬に紅葉型の跡がついたのだろう。
ジュンは、たいした知り合いでないはずのコウを彼女より優先したのだ。
それゆえ、コウは、謝ったのだ。
「彼女に謝りに行く時、俺も一緒に謝ってやるから、連れて行けよ。」
「・・・だから、気にするな。・・・そもそも、謝って許してくれるようなぬるい彼女じゃないんでね。」
「・・・そうか。」
「それよりも、こいつら、どうする?殺すか?」
ジュンが、囲まれて一言も発せずにおびえた表情になっている5人の紅蓮を冷酷は目で見た。