運命の歯車-不思議の国のアイツ-


「・・・いや、ちょっと待てくれ。」



ジュンにそう言うと、コウは、周りの紅蓮の男の中から1人を指差した。



「な、何だよ?」



コウに指された男が、コウを見る。



「・・・紅蓮やめるか?」



「はぁ?・・・やめるわけないだろ。」



コウの問いに答える男。



バキッ!!!!



物凄い轟音を立てて、紅蓮の男が、コウに殴られて、後方に吹っ飛んだ。



「・・・ああ、気持ちいい。」



つい、本音が出てしまうコウ。



コウは、別に人を殴るのが好きではないが、さすがに自分をここまでリンチした奴らを殴り飛ばすのは・・・爽快だった。



「・・・次、お前は、紅蓮やめるか?」



コウは、呆気にとられた表情で、コウに殴られて吹っ飛んだ男を見ていた、残りの紅蓮の男達の中の1人を再び指差した。



「・・・や、やめま・・・いや、無理だ。・・・紅蓮は、やめられない。」



コウに指差された男が、覚悟を決めたような表情で、歯を食いしばる。



バキッ!!!!



再び、後方へと飛ぶ紅蓮の男の1人。



先ほど、吹っ飛んだ男と、ほぼ同じ地点まで吹っ飛んだ。



そして、コウは、その行動を残り3回繰り返したが、紅蓮のメンバーの男達は、皆、一様に紅蓮をやめるとは言わなかった。


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