運命の歯車-不思議の国のアイツ-
「少しは、気がすんだか?」
紅蓮の5人を思いっきり殴り飛ばしたコウに、ジュンが声を掛けてきた。
「・・・少しはね。」
少しではなく爽快そうな表情のコウが答えた。
「それより、何で殴る前に紅蓮やめるかって聞くんだ?」
「紅蓮潰すから。」
ジュンの問いに簡潔に答えるコウ。
その表情に一片の迷いもない。
「やめるかって・・・それで、紅蓮潰せると思っているのか?」
少し呆れたような表情で、コウを見るジュン。
「みんな、紅蓮をやめたら、紅蓮は自然に消滅するだろ?」
「・・・それは、そうだけどな・・・。」
残念なものを見る目でコウを見つめるジュン。
そして、ジュン以外のジュンの仲間も、なんともいえない表情でコウを見ていた。