運命の歯車-不思議の国のアイツ-
「・・・これ、全員、ジュンの学校の不良達か?」
「ああ、東三鷹中は、不良が多い学校だからな・・・これでも一部だよ。」
「・・・凄いな。」
「コウのところは、どれくらい不良がいるんだよ?」
「リョウだけ。」
ジュンの言葉に即答するコウ。
「・・・参ったな、うちの中学は、リョウとコウ、2人だけの学校に喧嘩売られたのかよ・・・。」
「違う。リョウだけ。俺は、不良じゃない。一般人だ。」
呆れたように頭をかくジュンの言葉に、再びコウが、即答した。
「・・・。で、そのよく喧嘩をする一般人は、これからどうするつもりだ?」
ジュンは、真剣な表情で否定をするコウを笑いながら見た。
「・・・紅蓮を潰す。」
「だから、どうやって、紅蓮を潰すのかって聞いているんだよ?」
ジュンの言葉に何も答えることができないコウ。
しばらく考え込むようにうつむいた。
「・・・。」
「個人がどんなに強かろうが、ひとりで族を潰すのは無理だぞ、コウ。」
「・・・ああ。・・・それは、俺も分かってるよ。」
さすがのコウも今日、紅蓮の5人を相手にできなかったことで、そのことはよく理解できていた。
しかし、コウには、やらなければいけない理由がある。
マサヤの凶行を止める手段が、他に思いつかないのだ。