運命の歯車-不思議の国のアイツ-
「紅蓮の集会場所は、変わりないのか?」
ジュンが、本題に入った。
「ああ、街のはずれにある公園側の駐車場で変わりない。」
「警察は?」
「大丈夫だ。どうやら、今日のことは気付いてないみたいだ。」
「そうか・・・それじゃ、行くか。」
コウが、立ち上がり、ボーリング場の外へと歩き出した。
「よし。」
コウに続いて、ジュン、レイジ達も、ボーリング場の外へと歩き出す。
そして、5人が、ボーリング場の外に出た時に見たのは、異様な光景だった。
50人以上の特攻服を着た若者が、雨に打たれたまま、無言で駐車場に立っているのだ。
コウ達が、ボーリング場から出てくると、その50人は、自然とコウ達の方を向いた。
「レイジ、何か言えよ。」
ジュンが、レイジを促した。
「そうだな。」
レイジは、気の進まない表情で50人の男達の視線の先に立った。
「あ~・・・・・・・・。」
レイジは、50人の視線が、レイジではなく、その後ろに立っているコウに注がれていることに、その時、気付いた。
「・・・・・だよな。」
レイジは、独り言のようにそうこぼすと、振り返り、50人と同じように、後ろに立つコウを見た。