運命の歯車-不思議の国のアイツ-
「・・・ああ、そうだ。コウ、お前、マサヤのこと知っているのか?」
リョウは、思い出したように、コウを見た。
「・・・ああ。」
コウは、渋い表情で肯いた。
コウも、月曜日にマイからマサヤの結末を聞かされた。
結局、コウのやったことは、意味がなかったのだ。
「何で、マサヤが、こんなことになったんだ?・・・知ってること全部話せ!!」
リョウの目には、強い怒りが漂っていた。
今、リョウは、どこに怒りを持っていくべきか、迷っているのだろう・・・・。
コウとマイは、詳しくリョウにマサヤの事件について説明した。
キ~ン コ~ン カ~ン コ~ン・・・・・・
途中で午後の授業開始を始めるベルがなったが、3人は、そのまま、屋上で話し続けた。
「・・・そうだったのか。・・・マサヤの奴・・・無理しやがって。」
話を聞いたリョウは、悔しそうな表情になる。
「・・・すまない。」
コウは、リョウに謝った。
この謝罪は、自分がいながらという意味合いの謝罪だった。
「・・・しょうがないさ、コウ。マサヤも・・・マサヤなりの考えがあったんだろ・・・。」
リョウは、コウの肩を優しく叩いた。