運命の歯車-不思議の国のアイツ-


「・・・ああ、そうだ。コウ、お前、マサヤのこと知っているのか?」



リョウは、思い出したように、コウを見た。



「・・・ああ。」



コウは、渋い表情で肯いた。



コウも、月曜日にマイからマサヤの結末を聞かされた。



結局、コウのやったことは、意味がなかったのだ。



「何で、マサヤが、こんなことになったんだ?・・・知ってること全部話せ!!」



リョウの目には、強い怒りが漂っていた。



今、リョウは、どこに怒りを持っていくべきか、迷っているのだろう・・・・。



コウとマイは、詳しくリョウにマサヤの事件について説明した。



キ~ン コ~ン カ~ン コ~ン・・・・・・



途中で午後の授業開始を始めるベルがなったが、3人は、そのまま、屋上で話し続けた。



「・・・そうだったのか。・・・マサヤの奴・・・無理しやがって。」



話を聞いたリョウは、悔しそうな表情になる。



「・・・すまない。」



コウは、リョウに謝った。



この謝罪は、自分がいながらという意味合いの謝罪だった。



「・・・しょうがないさ、コウ。マサヤも・・・マサヤなりの考えがあったんだろ・・・。」



リョウは、コウの肩を優しく叩いた。


< 271 / 275 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop