運命の歯車-不思議の国のアイツ-


しかし、次の瞬間、リョウの目が強く光る。



「・・・ところで、コウ。・・・紅蓮は、当然、潰しに行くんだろ?」



リョウの目が、最初の時のコウと同じく、紅蓮を敵と見定めていた。



「・・・それが・・・リョウ・・・実は。」



コウは、物凄くいいにくそうな表情になった。



「なんだよ、コウ?まさか、紅蓮にけじめとらないってことは、ないよな?」



「それが・・・俺が、紅蓮なんだ。」



リョウだけでなく、アヤも驚いた表情でコウを見た。



「どういう意味だ?」



リョウは、やや困惑した表情になる。



「・・・・俺が、紅蓮5代目総長なんだ。」



「・・・コウが・・・マサヤと海堂の仇の紅蓮の・・・総長?」



コウは、リョウの言葉に肯いた。



「・・・・・・理由は、まったく分からないが、それだったら、紅蓮を潰すのは簡単だな、コウ?」



リョウは、無表情で何かを確認するようにコウに尋ねた。



「・・・紅蓮は、潰さない。」



コウは、苦しそうに、しかし、はっきりと言い切った。



「・・・潰さない?・・・・だったら、誰が、マサヤの・・・海堂の仇をとってやるんだよ?」



「それは・・・。」



コウは、答えることができなかった。



「・・・はぁ、わかったよ。だったら、コウは、もう、このことに関わるな。紅蓮にも。・・・俺が、紅蓮を潰す!!」



リョウは、呆れた表情でコウに言った。

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