運命の歯車-不思議の国のアイツ-
「今どきツレションなんて、はやらねぇ~よ。」
コウは立ち止まり、マサヤを見て笑いかける。
「・・・・違うよ。行くんだろ、リョウの所へ?」
真面目な顔のマサヤ。
そのマサヤの表情を見て、コウの表情も真剣なものへと変わった。
「ダメだ。」
「何でだよ?俺も友達だろ?」
真剣な目でコウを見るマサヤ。
「・・・マサヤのこと、俺は友達じゃなくて・・・・親友だと思ってるよ。だからこそ、そんな親友に危険な目にあって欲しくないんだよ。」
少し照れながら、マサヤに言い聞かせるコウ。
「コウ・・・」
マサヤは、うれしそうでいて、悔しそうな表情になる。
「マサヤ・・・喧嘩なんて馬鹿のやることなんだから、俺みたいな馬鹿に任せとけばいいんだよ。わざわざ、マサヤが俺に合わせることないよ。そんなことしなくても、親友は親友。変わりはしない。」
そうマサヤに言い残して、コウは、屋上から出て行った。
残されたマサヤは、悔しそうな表情のまま黙り込む。
「・・・・山下くん・・・トイレじゃないの?」
意味の分からなかったマイが、アヤを見た。