運命の歯車-不思議の国のアイツ-
「・・・でも、マイも、もう中学3年生になるんだから、いつまでもお父さんっ子じゃだめよ。」
明るい表情に戻った母親が、マイの頭をつつく。
「もう、やめてよ、お母さん。・・・私、お父さんっ子じゃ無いもん。」
マイが、うれしそうにマイの頭をつつく母親の手を振り払う。
「それじゃ、何なの?」
「・・・お母さんっ子だもん。」
マイは、顔を少し紅くさせながら、つぶやいた。
「・・・もう、マイったら。」
そう言って母親は、マイをその胸に抱きしめる。
久しぶりの母親の暖かさを再確認するマイ。
ふと、顔を上げると、1台の車がマイと母親の方に向って突進してきていた。
「お母さん!」
思わず叫ぶマイ。
母親が、マイの叫びで、向ってくる車に気づく。