運命の歯車-不思議の国のアイツ-
第4節:リョウとコウと田村ジュン
リョウとコウは、他校の生徒5人と学校近くの市の体育館の裏に来ていた。
ここは、ちょうど、道からも死角になっていて、体育館が使われてない限り、騒いでも誰かに見つかる心配のない場所だった。
「で、お前ら、誰だっけ?」
ダルそうにリョウが、他校の生徒5人に声をかける。
他校の生徒5人の中でひとりが、前に出た。
「俺は、東三鷹中の田村ジュンだ。織田、お前、うちの中学の奴ら、やっただろ?」
冷静な声で話しかけてくる田村ジュン。
ただ、冷静なのは田村ジュン一人で、後ろの4人は、今にも飛び掛ってきそうな顔をしていた。
「昨日・・・?」
リョウは、考えるそぶりをする。
「何だよ、昨日のことも覚えてないのかよ?」
コウが、リョウを呆れた表情で見た。