運命の歯車-不思議の国のアイツ-
「お前ら、俺達のこと、馬鹿にしてるだろ?」
その緊張感に田村ジュンが割り込んできた。
リョウとコウが、田村ジュンの声を聞いて、田村ジュンの方を同時に見る。
「不良のくせにうるさいんだよ!来るんなら、さっさと来いよ!」
このリョウの一言で、田村ジュンと4人の他校の生徒が、リョウとコウめがけて殴りかかって来た。
一瞬にして、乱闘の現場になる体育館裏。
リョウとコウは、5対2という人数差もあり、不利かと思いきや、うまくお互いの背中をかばいながら、他校の生徒を倒していった。
そして、10分も経った頃には、体育館裏で立っているのは、リョウとコウと田村ジュンだけになっていた。
「おい、さっさとかかってこいよ。こっちは、後に用事が控えてるんだから、忙しいんだよ。」
冷たい笑いを口元に浮かべて、田村ジュンに声をかけるリョウ。
「言われなくても行ってやるよ!」
田村ジュンは、真っすぐにリョウ目がけて殴りかかっていく。
その時、リョウと田村ジュンの間に、いきなりコウが割り込んだ。