運命の歯車-不思議の国のアイツ-
「なっ!」
いきなりのことで、一瞬、驚いた表情を見せた田村ジュンだったが、すぐに目標をコウに変え、コウの頬を力いっぱい殴りつけた。
ボコッ!!
田村ジュンが、コウの頬を殴りつけた音が体育館裏に響く。
しかし、コウは、その場を1mmも動いていなかった。
バコッ!!
もう一度、コウの頬を殴りつける田村ジュン。
相変わらず、コウは、その場を1mmも動いていない。
「何してんだよ、コウ!」
後ろから、リョウが、コウに声をかける。
「・・・・・もう、気がすんだか?」
コウは、リョウの言葉には、答えずに、田村ジュンを見つめて言った。
「・・・・何が、気がすんだかなんだよ?」
コウを睨みつける田村ジュン。
「リョウが、お前の友達殴ったから、ここまで来たんだろ?だから、リョウの友達の俺が殴られたら、これでお互い様だろ?」
爽やかな笑顔で笑うコウ。