運命の歯車-不思議の国のアイツ-
第5節:デート
空を見上げると、すでに夕日に染められた色も失い、薄暗くなり始めていた。
そんな黄昏時を過ぎた時刻にアヤは、ひとり、いつもの公園のベンチに座っていた。
公園といっても、街中にある小さな公園のため、通り抜ける人などがいるために、公園の中には、まだ多くの人が行きかっている。
「・・・・いつまで待たせんのよ。」
アヤは、不機嫌そうに、独り言をつぶやく。
そのアヤの表情は、何気なく、アヤの表情を見た人が、すぐに顔を逸らしてしまうくらい怒りに満ちた表情をしていた。
「アヤ、暇そうだな。」
そんな状況のアヤにリョウが、ゆっくりと歩きながら、近づいてきた。
「・・・・何が暇そうなのよ!」
声はそんなに大きくはないが、怒りに満ち満ちた声を出すアヤ。
その声にリョウが少し驚いたような表情をつくる。