運命の歯車-不思議の国のアイツ-
「何、怒ってんだよ?」
リョウには、アヤが怒っている理由がわからなかった。
「何でこんなに遅いのよ!」
「遅いって、アヤも見ただろ?学校で俺にお客さんが来たのを。」
「それにしても遅すぎるでしょ?」
リョウに詰め寄るアヤ。
「いや、それは・・・なぁ・・こんな街中歩いてたら、男は色々あるしさ。」
歯切れの悪い言葉でお茶を濁すリョウ。
その様子にアヤが、怪しむ表情になる。
「どういうことよ、リョウ。まさかリョウ、私を待たせておきながら、他の女と・・・・」
アヤの眼光は、それだけで、リョウを殺してしまうくらい鋭かった。
「ち、違うよ。女じゃねぇ~よ!女なわけないだろ?」
焦った表情で言い訳を始めるリョウ。
リョウの顔には、先ほどの喧嘩の時でも浮かんでなかった汗が吹き出している。