運命の歯車-不思議の国のアイツ-


まるで、その時間だけマイの目にはスローモーションのように残っている。



母親は、一瞬、マイに微笑みを贈ると、次の瞬間、マイを思いっきり突き飛ばした。



離れ行く母親は、最後までマイに笑顔を向けていた。



そして、鈍い音とともに、母親は、暴走車によって遥か先へとあっという間に運ばれていった。



遠くに倒れる母親を見ながら、マイは、しばらく呆然とすることしかできなかった。




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