運命の歯車-不思議の国のアイツ-
「だったら、何でこんなに遅いのよ?喧嘩だけだったら、こんなに遅くなるわけないでしょ?コウも居たんだし。」
すでに学校の屋上でアヤと別れてから、2時間は経過していた。
「それは・・・どうせ言っても信じないだろ?」
少しアヤを疑う表情で見るリョウ。
「そんなの聞いてみないとわからないでしょ?説明しなさい、リョウ。」
アヤの言葉には、まるで王女が召使いに言う様に優雅さと気品に満ちていた。
「実はさ、ここに来る途中に、カツアゲされてる奴がいたから、助けてきたんだよ。」
リョウは、真面目な表情でアヤに説明する。
そして、そのリョウの言葉を疑わしげな表情で聞くアヤ。
アヤは、リョウの説明を聞き終わった後で断言した。
「嘘ね。」
言い切ったアヤの表情は、自信に満ち満ちていた。