運命の歯車-不思議の国のアイツ-
「ほらみろ!ちゃんと説明しても全然信じねぇ~んじゃないか!」
アヤに喰ってかかるリョウ。
「当たり前でしょ?リョウが、人助けなんてするわけないもん。」
アヤの自信は、ゆるぎなかった。
「俺だって、・・・・・たまには、するかもしれないだろ?」
「そうね。たまには、するかもしれないけど、それが今なんてありえない。」
「ありえないってなんだよ!ありえなくはないだろ?」
興奮するリョウ。
「ううん。私がありえないって言ったら、ありえない。」
冷静にリョウの言葉を否定するアヤ。
そんな言い争いをするリョウとアヤに、ひとりの制服を着た学生が近づいてきた。
見た感じ背も低く、顔も幼いので、中学1年生くらいの男の子だった。
「あ、あの・・・さっきは、ありがとうございました。」
リョウの前で頭を下げる男の子。