運命の歯車-不思議の国のアイツ-
「あっ?いいよ。気にすんなよ。」
リョウは、そっけなく答えた。
「・・・・何があったのよ?」
アヤが、リョウを見るが、リョウは答えようとしないので、男の子の方を見た。
「僕が、ゲームセンターでカツアゲされているところを助けてもらったんです。」
うれしそうにアヤに語る男の子。
その言葉に驚いた表情を浮かべ、リョウを見るアヤ。
リョウは、横を向いて、少し恥ずかしそうにしていた。
「本当にありがとうございました。」
それだけ最後に言うと、男の子は、街の中へと消えていった。
「・・・・・・何か俺にいうことないのかよ?」
リョウが、勝ち誇った表情でアヤを見る。
「別に。」
今までの言い分は忘れたといった感じで堂々と言い切るアヤ。
そのアヤの表情から自信が消えることはなかった。