運命の歯車-不思議の国のアイツ-
「・・・・・不満じゃねぇ~よ。」
うれしさを押し殺したぶっきらぼうさで答えるリョウ。
「だったら、早く遊びに行こ?」
アヤは、リョウの腕に抱きつく。
「・・・・わかったよ。・・・で、今日は、どこ行くんだよ?」
リョウは、渋々といった表情を演技しながら、アヤを見る。
「今日はね、新しいケーキ屋さんが出来たから、そこに行くの。」
甘えた表情でリョウを見るアヤ。
「・・・・本気か?・・・勘弁してくれよ、俺がケーキ屋なんて・・・・似合うと思うか?」
本気で嫌そうな表情を浮かべるリョウ。
「意外と似合うと思うよ・・・リョウ。」
最後のリョウという言葉を思いっきり甘い声でささやくアヤ。
それだけで、リョウは、もう、文句が言えなくなってしまった。