運命の歯車-不思議の国のアイツ-
コウが、ジンと呼んだ男が、ヘルメットをとった。
ヘルメットの下から現れたのは、夕日を反射して輝く金色の髪だった。
「学校帰りか?」
ジンは、タバコに火をつけながら、コウに話しかける。
「はい。ジンさんは、仕事帰りですか?」
ジンは、かなり高い身長のコウより、さらに高い身長をしていた。
そして、服装は、一見して、土木関係とわかる服装。
コウでなくても、仕事帰りということが見て取れた。
「ああ、今日も一日疲れたよ。・・・コウ、顔、傷だらけだぞ?まったく、また喧嘩したのか?しょうがない奴だな。」
優しく笑ってコウの顔を見るジン。
「違いますよ・・・いや、違いませんけど、俺の喧嘩じゃありませんよ。」
疲れたような表情でジンを見るコウ。
「・・・・ってことは、またリョウの奴か?」
コウの表情を見て、苦笑いを浮かべるジン。
そのジンの言葉に素直にうなずき、経緯を説明する。