運命の歯車-不思議の国のアイツ-
「はい。リョウの奴が・・・・・」
「まったく、リョウの奴は、しょうがない奴だな。」
コウの説明を聞いた後で、ジンが、笑いながらつぶやく。
「あの~・・・そのセリフ、ジンさんに似合いませんよ?」
コウが、笑いながら、ジンに言った。
なぜなら、ジンは、暴走族蒼炎第2代目総長として、この辺りの不良の中では、有名な男だった。
「フッ・・・確かにな。・・・俺が言えることじゃないか。」
コウの言葉に苦笑いを浮かべるジン。
「それに、リョウの奴が、あんなに喧嘩繰り返すのも、ジンさんのせいなところもあるんですよ。」
「俺のせい?」
コウの言葉に首をかしげるジン。
「そうですよ。ジンさんに憧れて、ジンさんのようになりたいから、アイツ、喧嘩ばかりするんですよ。」
ここぞとばかりにジンを攻め立てるコウ。
「そうなのか?って、それって俺が悪いのか?」
「そうです。ジンさんが、悪いです。」
「・・・そうか・・・それは、迷惑かけてわるかったな・・・っておい、どう考えても、俺、悪くなくねぇ?」
そういって、ジンとコウは、顔を見合わせて笑った。