運命の歯車-不思議の国のアイツ-
第7節:ジンのアパート
コウを乗せたバイクは、それほど時間はかからずに、ジンのアパートに到着した。
ジンのアパートは、よく見る2階建ての鉄筋アパートだった。
「コウ、こっちだぞ。」
ジンの背中を見ながら、ジンの部屋の前までついていくコウ。
ドン、ドン、ドン
「帰ったぞ。」
自分の部屋にも関わらず、ドアを叩くジン。
すぐにドアが開き、ひとりの女性が現れた。
「あっ、お帰り、ジンくん。」
ジンを見て、部屋から出てきた女性が笑顔になる。
「ただいま。アユミ、こいつが、コウだ。」
ジンは、すぐにアユミにコウを紹介した。
「あっ、えっと、初めまして。山下コウです。」
いきなりのことで、噛みまくりながら、挨拶をするコウ。
「初めまして、私、アユミです。」
アユミは、いきなりのことにも関わらず、笑顔で落ち着いた様子でコウに挨拶を返す。