運命の歯車-不思議の国のアイツ-
その日も、マイは、放課後、屋上へと上がっていった。
「あっ、マサヤくん。」
屋上に出て、すぐにマサヤの姿を見かけ、声をかけるマイ。
「あっ、マイちゃん。」
マサヤは、マイに呼ばれ、うれしそうに寄ってきた。
まだ、マサヤとは、会ってから1週間程度しか経ってないが、すでに、マサヤくん、マイちゃんと呼び合う仲になっていた。
マサヤは、心からうれしそうな笑顔でマイを見ている。
そして、屋上から見える空も、マサヤの笑顔のように晴れ渡っていた。
「マサヤくんだけ?」
マイが、屋上の見渡しながら、マサヤに尋ねた。
「うん。まだ、俺だけだけど・・・・俺だけじゃ不満?」
マサヤが、少しふくれっ面をつくる。
「えっ、いや、そうじゃなくて。」
マイは、焦って否定した。
別に深い意味があって、マサヤが言ったわけではないと思うけど、まるで心を読まれたような感覚だった。