運命の歯車-不思議の国のアイツ-
「何が?」
今の出来事をすっかり忘れたように答えるアヤ。
「何がって、俺の後頭部殴っただろうが!馬鹿になったらどうするんだよ!」
「・・・・元々、馬鹿なのに、それ以上、馬鹿になるわけないでしょ?」
「うっ!」
素晴らしいアヤの返しにあっという間に言葉に詰まるリョウ。
「ところで、リョウ、何をふざけてたの?」
「えっ?・・・・それは・・・・・」
再び、アヤとリョウの形勢が逆転する。
「ねぇ~、マサヤ、マイ、リョウの奴、何をふざけてたの?」
リョウが答えないので、マサヤとマイに尋ねるアヤ。
「それは・・・・・」
マサヤとマイが、アヤにリョウの行動を告げ口した。
リョウは、途中で逃げようとしていたが、アヤに服を掴まれていて、結局、逃げ出せなかった。
「・・・ずいぶん、面白い話だと思わない・・・・リョウ?」
アヤの目が、冷たく光る。