運命の歯車-不思議の国のアイツ-
「・・・・・いや、俺は、あんまり面白くなかったかな。」
目をキョロキョロさせながら答えるリョウ。
「ちょっと、こっちに来なさい、リョウ。」
「・・・・・・・・はい。」
アヤは、マイとマサヤの位置から死角になる場所にリョウを連れて行こうとする。
そして、観念したリョウもそれに従った。
マイとマサヤの位置からは、何をしているのか聞こえなかったが、最後に大きな【バシッ!!!】という音が屋上に響き渡った。
死角の位置から、マサヤとマイの前に戻ってきたリョウの頬には、真っ赤なもみじが、咲いていた。
「ところで、コウは?」
すっかりスッキリとした表情のアヤが、マイとマサヤに尋ねる。
「知らない。」
マイとマサヤが、顔を見合わせた後で、同時に答えた。
「何で?」
マサヤが、アヤに尋ねた。