運命の歯車-不思議の国のアイツ-
「いや、別にいなければ、いないでいいんだけど、新しいおいしいケーキ屋さん発見したから、みんなで行かないかと思って。」
「あっ、行きた~い。」
アヤの言葉にマイがうれしそうに同意の声を上げる。
「マサヤは?」
アヤが、笑いながら、マイの顔を見た後で、聞いた。
「うん、マイちゃんも行くなら、俺も行くよ。」
マサヤも笑顔で答えた。
「まったく、ケーキ、ケーキって、ケーキ食いすぎて太りやがれってんだ。」
リョウが、小声でつぶやく。
「何か言った、リョウ?」
アヤが、リョウを睨みつける。
「何か聞こえたのか?」
平静を装うリョウ。
「はっきり聞こえなかったけど、何か言ったような気がして。」
「はっきり聞こえなかったんなら、何も言ってないんじゃないか?」
「・・・・そうね。私の聞き間違いね。・・・・ところで、リョウは、行かないんでしょ?」
アヤの目は、すこぶる冷たい。