運命の歯車-不思議の国のアイツ-
「何でだよ?まだ、行くとも、行かないとも言ってないだろ?」
「言ったじゃない・・・・太るのイヤなんでしょ?」
「・・・・・・・・・・ごめんなさい。」
リョウの負けだった。
「それじゃ、今日は、リョウの奢りね。」
満面の笑みでリョウを見つめるアヤ。
「えっ、ちょっと待ってくれよ。俺の奢りって。俺、今月、お小遣いピンチなんだよ。勘弁してくれよ。」
今までないくらいの焦りようリョウ。
「それで?」
アヤの表情は、冷たかった。
「・・・・わぁかぁ~たよ。奢ればいいんだろ、奢れば!!!!」
ふてくされて、叫ぶリョウ。
「わかればいいのよ。」
とことん上から目線のアヤ。
「お前ら、ケーキ屋に行くぞ、ついて来い。」
やけっぱちになったリョウが、マイとマサヤに声をかけて、屋上を出て行く。
マイとマサヤとアヤは、その様子を見て、顔を見合わせて笑った。
そして、笑った後で、リョウの後をついて、屋上を出て行った。