運命の歯車-不思議の国のアイツ-
「かしてみな。」
コウがマイの目の前に手を伸ばす。
「・・・・」
マイは、素直に火がつかなかったタバコとライターを渡した。
コウは、マイからタバコとライターを受け取り、タバコをくわえて火をつける。
マイの時とは違い、タバコから煙がたっている。
「・・・こうするんだよ。」
コウは、くわえたタバコを右手に持ち、そして、そのタバコを屋上のコンクリートの床に投げつけて、踏みつける。
「・・・っていうか、にあわねぇ~よ。」
コウは、笑いながらマイを見た。
「おい、こんなところで何してるんだ!」
マイとコウは、声の方向を向くとそこには、生徒指導の先生が立っていた。
「・・・別に何もしてないっすよ。」
コウは、感情のない声で言った。
先生は、辺りを見渡し、コウの足元でその視線がとまる。