運命の歯車-不思議の国のアイツ-
コウが、そのまま校門を出て帰ろうとしているところで、ちょうど、リョウ、アヤ、マサヤ、マイの4人組に出会った。
「何してたんだよ、コウ?」
コウを見つけるなり、マサヤが、うれしそうに話しかけてきた。
「みんな探してたんだよ、山下くん。」
マイもうれしそうにコウに話しかけてくる。
「さっさと帰ってろよ、コウ。」
なぜか不機嫌なリョウが、コウを見るなり、文句を言ってきた。
「どうしたんだ?みんな揃って?」
不機嫌なリョウは、放っておいて、マサヤとマイとアヤに話しかけるコウ。
「みんなで、リョウの奢りでケーキ食べに行くのよ。」
アヤが、横目で不機嫌なリョウを見て、笑いをこらえながら、コウに答える。
「へぇ~、リョウが奢るなんて珍しい事もあるもんだな。」
コウは、リョウが不機嫌な理由がわかった。
(・・・多分、アヤに言われて無理やり奢らされるんだろうな・・・)
リョウは、アヤに文句を言うわりに、いつも、アヤの無茶なお願いを聞かされているので、多分そうだろうと想像した。
そのコウの考えたことは、的中しているが、それをコウが知ることはできないし、また、コウも別に理由に興味はないので聞かなかった。
「それじゃ、みんなで仲良くケーキでも食べて太ってくれ。」
コウは、笑いながら、4人に声を掛けると、そのまま立ち去ろうとする。