運命の歯車－不思議の国のアイツ－

第３節：ケーキ

「俺は・・・チーズケーキな！・・・・いや、待てよ。レアチーズケーキも捨てがたいし・・・・迷うよな。」



コウは、メニューを見て、ひとり悩んでいた。



「まだなの、コウ？」



メニューを見て迷うコウを見て呆れた表情でアヤが声をかけてきた。



「ちょっと、待ってくれよ。」



コウは、メニューから視線を外さずに答える。



「まったく、何が、俺にケーキ屋は合わないだろよ。」



アヤは、来る前に言ったコウのセリフを持ち出し、馬鹿にするが、メニューを見るのに必死なコウの耳には届いていなかった。



「よし、決めた！俺は、レアチーズケーキで！」



納得したような表情でメニューから顔を上げるコウ。



「まったく、コウは、女の子じゃないんだから、メニューで選ぶのに時間かけないでよ。」



アヤは、ブツクサ文句を言いながらも、店員を呼んで、全員のメニューを注文する。



「それにしても、こんなケーキ屋さんが出来てたなんて、私、知らなかった。」



マイが、少しうれしそうな表情で、店内を見回す。



「確かまだオープンしてから、一ヶ月たってないはずよ。」



アヤが、水を飲みながら答えた。