運命の歯車-不思議の国のアイツ-


「何よ、それくらいやってくれてもいいでしょ。」



当然の事の様にいうアヤ。



「そうだよ。それくらいのことやってやれよ。」



コウも笑いながらリョウに声をかける。



「それくらいのことって、俺にケーキなんか作れるわけないだろ?」



笑っているコウを睨みつけながら、リョウが文句を言った。



「やれば、出来るって。」



相変わらず、可笑しそうにコウが、リョウに声をかけた。



「やっても出来ないから、言ってんだよ。そういうお前は出来るのかよ!」



「出来るわけないだろ。」



自信満々に答えるコウ。



「もう、お店の中なんだから、大きな声出さないでよ。」



アヤが、言い争うリョウとコウを注意した。



コウとリョウは、素直にアヤに「わりぃ」と言うと、静かになった。



「まだ、私の誕生日までは時間があるから、大丈夫よ、リョウ。」



アヤが、落ち着きを取り戻したリョウに声をかける。



「・・・・本気で俺が作るのかよ・・・」



困ったようなリョウの表情を見て、コウとマイとマサヤは、静かに笑っていた。



< 95 / 275 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop