運命の歯車-不思議の国のアイツ-
「何よ、それくらいやってくれてもいいでしょ。」
当然の事の様にいうアヤ。
「そうだよ。それくらいのことやってやれよ。」
コウも笑いながらリョウに声をかける。
「それくらいのことって、俺にケーキなんか作れるわけないだろ?」
笑っているコウを睨みつけながら、リョウが文句を言った。
「やれば、出来るって。」
相変わらず、可笑しそうにコウが、リョウに声をかけた。
「やっても出来ないから、言ってんだよ。そういうお前は出来るのかよ!」
「出来るわけないだろ。」
自信満々に答えるコウ。
「もう、お店の中なんだから、大きな声出さないでよ。」
アヤが、言い争うリョウとコウを注意した。
コウとリョウは、素直にアヤに「わりぃ」と言うと、静かになった。
「まだ、私の誕生日までは時間があるから、大丈夫よ、リョウ。」
アヤが、落ち着きを取り戻したリョウに声をかける。
「・・・・本気で俺が作るのかよ・・・」
困ったようなリョウの表情を見て、コウとマイとマサヤは、静かに笑っていた。