運命の歯車-不思議の国のアイツ-
「何だよ?」
リョウがアヤの側を離れ、コウのところに来た。
コウは、コウの視線の先を見るようにリョウをうながす。
「・・・・なんだよ。あれ、田村ジュンとかいう奴じゃないか?」
リョウが、目を凝らしながらつぶやく。
「・・・だよな。何してるんだと思う?」
コウは、リョウを見た。
「どうせ、また、喧嘩だろ?困ったもんだよな、喧嘩好きにも。」
リョウが、自分のことは棚に上げて言う。
「・・・・女連れでか?」
真面目な表情でリョウを見るコウ。
「・・・・やめとけよ、コウ。今日は、こっちも女連れなんだから、下手に顔突っ込むと、アヤや海堂まで巻き込まれちまうだろ?・・・それに、あの囲んでる奴らの服、紅蓮の服だろ。紅蓮と喧嘩は、まずいだろ。」
「・・・・そうだな。」
コウは、リョウに言葉に納得した様子で、また歩き始めた。