妹彼女Ⅱ
「へぇ~、冬真たちとプールかぁ。なんか珍しいな、お前が俺以外と遊びに行くのは。」
「そうだな。中学の時は、あんま大地以外の友達はいなかったもんな。」
午前が終わりようやくの昼飯タイム。
俺、空、大地、緑の4人で固まって座る。
今日の弁当はサンドイッチ、小さなパックには唐揚げとリンゴが入ってる。
『はぁ~い、じゃあタマゴサンドと、卵焼きを、こうか~ん!』
「わぁ~い。」
互いの弁当を交換し合い、キャッキャする女の子二人。
「てか意外だね!海くんの友達が少ないなんて。もっとこう…みんなにいつも頼られてる感じだと思ってた。」
拳2つ分程度の弁当箱をつまみながら、緑に微妙に誉められる。
大地も半分納得する。
「最初の方はそうだったな。なんでもできる、なんでも知ってる、んでこの顔だろ!才色兼備の秀才くんですぐ有名になって、当時は市内1のイケメンとまで言われてたもんな。」
「ま、それもすぐに払拭されたな。《シスコンバカ》のレッテルで…」
まだ空を大事すぎる妹として過保護にしていた中学時代。
家事や資格取りで忙しかったと言えば言い訳だ。
「あぁ、なるほどねぇ。意外だったなぁ。じゃあ今は違うね。」
「そうだな。今は…」
空と目があい、満面の笑みが返ってくる。
そう、今は違う。
もう空は、どこにも行かない。空はもう、お互い大事な存在。