妹彼女Ⅱ
何度もエナメルバックをからいなおし、慣れない言葉を発する。
「……なにが?」
「いや、俺も木乃香もこんなだからさ。お互いちゃんと誘えなくて…。お前らが機会作ってくれて…。」
見た目や言動よりずっと奥手で真面目な雪田、ちゃかすのもかわいそうだな。
「そう思うなら、明日はお前なりにちゃんと準備して来いよ?俺や空は、1から10まで協力してやるわけじゃないんだから。」
『呼んだぁ~?』
今度は空の声が背後からした。
相も変わらずの神出鬼没っぷりです。
「あ、いや。なんでもないんだ。うん、それじゃあ二人とも、明日な。」
「あぁ。」
『部活いってらっしゃ~い。あしたね~!』
少しテンション高めに、雪田は今日もバスケ部へひた走る。
「さて、俺たちも帰るか。」
『うん。』
「ちょっ!ちょっ待った!海!」