妹彼女Ⅱ
ケガしてない方の足で水面をパチャパチャさせる。
同時に雲を見るように、遠いを目をする。

「なんで…海くんは…あぁなんだろね?」

タンクを入れ替え、溜まった方にふたをする。

「……?あぁって?」


水江さんはしばらく答えず、目は遠いまま。
足が止まり、目を閉じてだまる。

そして、急にニコッと笑って俺を見る。
思わずドキッと心臓が鳴ったのが分かった。


「ううん。なんでもない。忘れて、今のは。」

「…??」


「ほら、タンクタンク!もういっぱいになってるよ!」


許容量を超えたポリタンクは俺の腕を引き、慌てて引き上げてふたをする。

水江さんから目線は外したが、まだ心臓は鳴ってる…

「あはは、たぷたぷになっちゃったね。持てる?」

「あ、あぁ。大丈夫…」


タンクを担ぎ、持てることを証明。

「じゃ…じゃあな…。足、ちゃんと冷やしときなよ?」


「うん。ありがと。あ、そだ。ねぇ、いいんちょ。」


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