妹彼女Ⅱ
『えっとぉ…、……!はい、あ~ん!』

スプーンにこんもり乗せたアイスを差し出し、かわいさを全面に押し出したあ~ん。

こいつ…最近俺の扱いに慣れてきたな…

拒絶できるはずなく、ソファに手を乗せ、アイスを口に含む。

やっぱり高い分美味いな…


スプーンを引いた途端、空に顔を両手で掴まれ、唇を重ねてきた。

「っ!」

まだアイスの入った口の中、奴の狙いはそこだった。

舌を入れて溶けかけの塊を器用に奪い、少し吸って自分の口に引き込む。


まさかの展開、自分で渡したアイスを逆口移しで取り返しおったわ!

口周りについたアイスを舐めとり、満足した顔で手を離す。


『えっへっへ。そう簡単には私のアイスは渡さないよ。』

バカにされたようで急に恥ずかしくなってきた…

いや、てかそのアイス俺のだから!


このやろう…このまま俺が終わると思うなよ…


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