妹彼女Ⅱ
「あれ?冬真じゃん?あと森さんも。」


気まずい二人に安々と声をかけてきたのは…

「大地!」
「哀原くん!」


なんという奇跡!
大地なら二人共通の友達。この状況を緩和してくれる逸材!

「あぁ、そっか。今日プールって海言ってたな。あいつらはまだなのか?遅刻?」

「いや…その…集合時間10時だからさ…」


びっくりして携帯の時計で確認する大地、9時30分集合ならジャストなのだが…


「………。」

黙って目をすぼめて俺たちを見つめる…

ことの理解が早いのか、続いて顔がにやける。


「なるほどねぇ…。ところで俺、今から緑の病院に行くわけなんだが、10時までここにいた方がいい?」

「いて!」
「いてください!」


「ほぉ~ほぉ~。まぁ残念ながらもう電車が来るまで2分無いんだよ。」


わざとらしく電車の掲示板と携帯を見比べ、にたぁと笑う。

「ま、そうゆうことだ。海には俺からメールしといてやるよ。じゃあな~。」


俺の肩をポンポンと軽く叩く。
意味するメッセージは《自分で頑張れ》だ。

慣れた手つきで電車に乗り、携帯でメールをしている。


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