妹彼女Ⅱ
再びの気まずい沈黙…

「あのっ!さ、冬真っ!」

木乃香が意を決し、顔を近づける。

今日は眼鏡を外し、コンタクト。ちょっと赤くなった頬とかが妙にかわいい。


「な、なに…?」

「わ、私…」

つばを飲み、軽く肺呼吸。

「きょ、今日のでで…デート!すっごい、すっごい、楽しみだからっ!」


早口で言うと体を反らし、目線を必死にそらそうとする。


楽しみだから…、木乃香も今日のデート、やっぱり楽しみだったんだ…


《俺たちはあくまでサポートする存在だ。何から何まで面倒はみない。》

海の言葉が蘇る。
あぁ、分かってるよ。そのために昨日部活終わりに散々準備したんだ。

見てろよ、海、木乃香。
今日の俺は一味違うとこを見してやる!


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