妹彼女Ⅱ
「水着だけだってのに暑いね~、プールは入ってる時は天国だけど出ると地獄だね…」

やや離れたとこにある海の家風な売店に行くには、炎天下の下を通る他無い。

背中の水分は汗なのかプールの水なのかも分からなくなってくる…

「こんな暑いのにこれからさらに暑くなるとかもう…」

「わけわかんないよね…」


途中アイスキャンデーを舐めながら走る子供を羨ましく思いながら歩を進める。

時折通りすがる他の人たちが振り返る。
優や俺を見てため息に近い感嘆を出す人もいた。


まんざらでも無い表情の優は、半歩俺との距離を縮める。
いつでも手が触れる距離…


「ね、手ぇ、繋いじゃおっか?」

ちょっとだけ首をかしげ、上目づかいで見てくる。
てか優、お前確か俺と空の関係知ってたよな?

「繋ぎません。アホなこと言ってないで、早く行くよ。」

若干ペースを上げ、優を一歩先を行く。


「はぁ~い。」














「そっか…、アホなこと…なんだ…。」






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